パタハラ

パタハラの事例紹介!男性は子育て禁止?

ジェンダーフリーが一般的な概念になって幾星霜。

子育てはもはや女性だけの仕事ではなくなっており、子供の誕生に合わせ、育休の取得を検討しているお父さんも多いのではないでしょうか。

しかしそこで心配になってしまうのが「パタハラ」です。この記事ではパタハラとは一体何か、遭遇したらどう対処したら良いのか解説していきます。

パタハラとは?

パタハラとはパタニティー・ハラスメントの略称です。パタニティー(paternity)とは「父性」を意味する言葉で、パタハラは父性を発揮する事に対する嫌がらせ、つまりは企業や上司が、男性が育児休暇を取得するのを拒んだり、育児休暇の取得を理由に降格などの不利益を被らせたりする事を指します。

パタハラの実例をご紹介

パタハラは男性が育児に携わるのが一般的になり表面化してきたハラスメントで、日本でも2019年、大手スポーツ用品メーカーのアシックスが行っていた事が発覚し、大きな社会問題となりました。アシックスパタハラ事例の経緯は、以下の通りです。

パタハラの被害者であるAさんは、2015年2月、第一子が誕生した事をきっかけに約一年間の育児休暇を取得しました。

問題が発生したのは育休から復帰し、出社した初日の事。出社したAさんは会社より休暇以前に勤めていた総務部でなく、遠く他県にある「アシックス物流」の倉庫に出向するよう命じられたのです。

そこでAさんを待ち受けていたのは、育休取得以前の業務とは似ても似つかない、段ボールの荷下ろしや検品などの肉体労働でした。

Aさんはその時点で育児介護休業法(両親が協力して育児に専念できるよう、育児休暇を取得しやすくする法律)違反ではないかと東京労働局に申し立てを行いました。

しかし同局はAさんの訴えを、法律違反には当たらないと判断。結局Aさんは弁護士を通して会社と交渉する事で、2016年7月に再び人事部への配置転換を受ける事となりました。

話はそれでは終わりません。Aさんは異動先の人事部において自身の専門外の業務を行うように命じられます。Aさんが拒否すると、会社側はAさんが業務命令に従わなかったとして、けん責、減給の処分を下します。

第二子が誕生した2018年にもAさんは育児休暇を取得する事となるのですが、この時も以前と同様に復帰後、専門外の業務を命じられるなど、育児休暇の取得が原因と思われる不当な扱いを得ました。

「パタハラ」などでアシックス男性社員が同社を提訴、育休復帰後初日の出向命令などを不当と訴え

なぜパタハラが起こるのか?

パタハラが起こる原因は様々ですが、一番大きな理由は、男性が育児休暇を取るという事について、まだまだ社会の理解、価値観が追い付いていない事が挙げられるでしょう。

ジェンダーフリーが声高に叫ばれるようになってかなりの時間が流れたにも関わらず、育児休暇に賛成の人は男女合わせて全体の53%にとどまり(2019年エンジャパン調べ)、まだまだ多くの人が男性の育児休暇に懐疑的である事がわかります。

また企業側の制度の遅れも一因といえるでしょう。女性の育休について制度が設けられている企業は数多くあれど、男性の育休について定めている企業はほとんどありません。

平成29年度に育休を取った男性は、全体のわずか5%強(厚生労働省調べ)にすぎない事を見ても、現状、男性の育児休暇取得がいかに難しいか窺い知れます。

以下、参考文献

「男性の育休義務化」半数以上が賛成。しかし、取得経験者が低い理由は…

「男性の育児休業取得促進事業(イクメンプロジェクト)」の取組について

パタハラ被害にあったときの相談窓口

不本意ながら、もしもパタハラ被害に遭ってしまった場合は、最寄りの労働局に相談すると良いでしょう。

厚生労働所管轄の各都道府県労働局には、育児介護休業法に関する相談窓口が用意されています。

内容によってはハラスメントの解決に向け援助や調停を受ける事ができ、事業者に対する行政指導などが図られるケースもあります。

弁護士など法律の専門家に相談するのも一つの手といえるでしょう。弁護士に相談する事で、問題の内容に寄り添った法的なアドバイスを受ける事ができます。

また調停を依頼する事で企業との間に立って交渉してもらえるため、より負担が少なく問題の解決を期待できます。最悪、訴訟沙汰になっても、法的手続きを代行してもらえます。

困ったらすぐ相談!パタハラを受けないような環境作りも大切

まだまだ環境が整い切っていない以上、パタハラは誰でも遭う可能性がある問題です。幸いな事に相談窓口は用意されているため、困った際はすぐ相談する事が大切といえます。

またそれ以上に大切なのが、休暇に入る前に予め準備、根回しをしっかりと行う事です。

仕事を休む間の配慮を事前にしっかりとしておけば、育児休暇で後腐れが生じる可能性も低くなる事でしょう。

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